本屋大賞ノミネート決定

アルプス席の母

早見和真

小学館 1,870

まったく新しい高校野球小説。秋山菜々子は、看護師をしながら一人息子の航太郎を育てていた。シニアリーグで活躍する航太郎にはスカウトも来ていたが、選び取ったのは大阪の新興校。声のかからなかった甲子園常連校を倒すことを夢見て。菜々子もまた大阪に拠点を移すことを決意するが、不慣れな土地での暮らし、厳しい父母会の掟、激痩せしていく息子など問題は山積み。果たしてふたりの夢は叶うのか・・・。

カフネ

阿部暁子

講談社 1,870

法務局に勤める野宮薫子は、溺愛していた弟が急死して悲嘆にくれていた。弟が遺した遺言書から弟の元恋人・小野寺せつなに会い、やがて彼女が勤める家事代行サービス会社「カフネ」の活動を手伝うことに。弟を亡くした薫子と弟の元恋人せつな。食べることを通じて、2人の距離は次第に縮まっていく。

禁忌の子

山口未桜

東京創元社 1,870

「現役医師が描く医療×本格ミステリ!救急医・武田の元に搬送されてきた溺死体。その身元不明の遺体「キュウキュウ十二」は、なんと武田と瓜二つであった。彼はなぜ死んだのか、そして自身との関係は何なのか、武田は旧友で医師の城崎と共に調査を始める。しかし鍵を握る人物に会おうとした矢先、相手が死体となって発見される。自らのルーツを辿った先にある、思いもよらぬ真相とは・・・。

恋とか愛とかやさしさなら

一穂ミチ

小学館 1,760

カメラマンの新夏は恋人の啓久と交際5年。東京駅の前でプロポーズしてくれた翌日、啓久が通勤中に女子高生を盗撮したことで、ふたりの関係は一変する。「二度としない」と誓う啓久とやり直せるか、葛藤する新夏。啓久が”出来心”で犯した罪は周囲の人々を巻き込み、思わぬ波紋を巻き起こしていく。

小説

野崎まど

講談社 2,145

5歳で読んだ『走れメロス』をきっかけに、内海集司の人生は小説にささげられることになった。12歳になると、内海は小説の魅力を共有できる生涯の友・外崎真と出会い、2人は小説家が住んでいるというモジャ屋敷に潜り込む。そこでは好きなだけ本を読んでいても怒られることはなく、小説家・髭先生は2人の小説世界をさらに豊かにしていく。しかし、その屋敷にはある秘密があった。

死んだ山田と教室

金子玲介

講談社 1,980

夏休みが終わる直前、山田が死んだ。飲酒運転の車に轢かれたらしい。山田は勉強が出来て、面白くて、誰にでも優しい、2年E組の人気者だった。2学期初日の教室。悲しみに沈むクラスを元気づけようと担任の花浦が席替えを提案したタイミングで教室のスピーカーから山田の声が聞こえてきた・・・。教室は騒然となった。山田の魂はどうやらスピーカーに憑依してしまったらしい。〈俺、2年E組が大好きなんで〉。声だけになった山田と、2Eの仲間たちの不思議な日々がはじまった。

spring

恩田 陸

筑摩書房 1,980

自らの名に無数の季節を抱く無二の舞踊家にして振付家の萬春(よろず・はる)。少年は8歳でバレエに出会い、15歳で海を渡った。同時代に巡り合う、踊る者 作る者 見る者 奏でる者――。それぞれの情熱がぶつかりあい、交錯する中で彼の肖像が浮かび上がっていく。彼は求める。舞台の神を。憎しみと錯覚するほどに。一人の天才をめぐる傑作長編小説。

生殖記

朝井リョウ

小学館 1,870

とある家電メーカー総務部勤務の尚成は、同僚と2個体で新宿の量販店に来ています。体組成計を買うため――ではなく、寿命を効率よく消費するために。この本は、そんなヒトのオス個体に宿る◯◯目線の、おそらく誰も読んだことのない文字列の集積。

成瀬は信じた道をいく

宮島未奈

新潮社 1,760

成瀬の人生は、今日も誰かと交差する。「ゼゼカラ」ファンの小学生、娘の受験を見守る父、近所のクレーマー主婦、観光大使になるべく育った女子大生etc...。個性豊かな面々が新たに成瀬あかり史に名を刻む中、幼馴染の島崎が故郷へ帰ると、成瀬が書置きを残して失踪しており・・・!?

人魚が逃げた

青山美智子

PHP研究所 1,760

ある3月の週末、SNS上で「人魚が逃げた」という言葉がトレンド入りした。どうやら「王子」と名乗る謎の青年が銀座の街をさまよい歩き、「僕の人魚が、いなくなってしまって……逃げたんだ。この場所に」と語っているらしい。彼の不可解な言動に、人々はだんだん興味を持ち始め・・・。その「人魚騒動」の裏では、5人の男女が「人生の節目」を迎えていた。銀座を訪れた5人を待ち受ける意外な運命とは。そして「王子」は人魚と再会できるのか。そもそも人魚はいるのか、いないのか・・・。